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   こんにちは!          今日もいい塩梅ですか?


by minmei

サンダル

底がぺったんこのグラディエーターサンダルっつーサンダルを履いて
夕方銀次郎君と散歩をしていましたら
きっとダラダラと歩いていたのでしょう
アスファルトにサンダルのつま先をずってしまい
薄底の二枚重ねの縫われていた糸が切れ、パカッと開いてしまい
あろうことかサンダルが口を開いた状態になってしまいました
しかし散歩はまだまだ途中ですし、仕方ないから家路までの距離を
足元のつま先を歩くたびにパカッパカッといわせながら帰りました
早速家に着くや否や、開いてしまった口を貼っつけようと
ボンドを探しましたが、そういうときに限っていつもある場所にないのであります
「無い。無いよ。」と言いながら道具箱の中をガラガラと、かき回していましたらば
アロンアルファなるものを見つけまして、これならばボンドよりも
瞬時にくっついてくれるだろうと、ほんとは少々でよいものを
たっぷりと付けてみたりして、流石のアロンアルファ
お口は頑丈にくっついてくれました
いやはや兎に角これで安心とサンダルを愛しく眺めておりましたら
あ、よくよく考えてみたら最近虫の鳴き声を聞くようになりました
暑い暑いといっても、秋は確実にすぐそこまで近づいています
いよいよ今年の夏も終わりですね
てことは、なんだ、サンダルももうお仕舞いじゃないの

3月、震災後間もなく岩手に帰ったとき
津波の災害にあった土地は手つかずの瓦礫に一面を覆われ
見るたびにとても辛くただただ哀しい景色でした
7月、慰霊祭で帰ったとき
我々の、これからどうなってしまうのかという心配をよそに
あの荒れ果てた瓦礫はキレイに撤去され
キレイすぎるほどキレイサッパリと何もなくなった更地が
これまたなんとも切なくはなりましたが、そんな気持ちと裏腹に
それでもこの広い大地の中で小さな人間たちは着々と動いているんだなぁという
あの絶望的だった気持ちから少しは救われたような気持ちでした
そして8月、お盆で帰ったときは
その更地を、まるで何も起きなかったかのように
雑草が覆いつくして全てを隠してしまっていました
そしてわたしは松尾芭蕉の「夏草や兵どもが夢のあと」を思い出しました
意味はちょっと違うけれども、でも、変わらず季節はめぐる
その地で沢山の人が死に1000年に一度の惨劇が起きようとも
何が起きようとも、日は昇り日は沈み、春は過ぎ夏が来て
雑草はそ知らぬ顔でその地を覆いつくす・・・
皮肉にも生き生きと伸び伸びと・・・ね
そうか、何かが死ねば、代わりに何かが生まれる
いろんな意味で生まれるという事はそういうことなのかもしれない
そして残された人間はめぐりめぐる季節の中で
兎に角置いていかれないように、真っ直ぐ前を見ていかないとね

なぁんて、そんなことを思いながら
そろそろサンダルを片付けようかと考えている今日この頃です・・・






もしこの災害がわたしのサンダルみたいに
アロンアルファのようなもので瞬時に修復できたなら・・・
いやしかし、この便利という代物は実は危険極まりないということも
今回の福島の震災で思い知らされた
やはり地道ではあるが、糸でもって一縫い一縫いがいいのかもしれない・・・
手作りは温かいものだから・・・
by minmei316 | 2011-08-31 17:28