こんにちは!          今日もいい塩梅ですか?


by minmei

肥樽

当時わたしが見た「肥樽」は
直径が3,40センチぐらいで
高さが7・80センチぐらいだったように記憶する。
家の後に回れば北向きのそこにお便所のマンホール。
そこから取っ手の長い柄杓のようなもので
母が肥をすくい、その樽にいくつも詰めていた。
そして父がそれを耕運機に積んで
隣の村の外れの、山ともいえない低い山の頂上の拓けた場所の
もうひとつの我が家の畑まで運ぶ。
耕運機を道路に停め、畑までは茂みの中をちょっとばかし
くぐって行かなければいけない。
獣道にも似たその鬱蒼とした茂みの中を
肥樽の積まれた一輪の手押し車を押して母は歩きだす。
そしてその後をついて歩くわたし。
これは余談だが、特に小さい頃の思い出には
いろんな場所をこうやって母の背中を見ながら歩いているのが多い。
考えてみれば皆子供はお母さんの後を追いながら歩いているのだろう。
茂みの中を歩いていると
母の履いている長靴が何かを踏んだ。
枯れ葉や松葉や小枝にまぎれてそこには
まだ小さいマムシが、踏まれて咄嗟にとぐろを巻いて
今にも母に飛び掛っていきそうな雰囲気だった。
しかし母は全く動じず、そこいらの枝か何かでサッとはらい
わたしを通してくれた。
茂みをぬけるとパーっと青空が大きく広がった。
地元の地形は山に囲まれているので
都心の立ち並ぶ高層ビルではないが、地元の空も狭く感じたものだ。
しかしここは青空が広がる低い小山の頂上
平地ではないので畑の広さは限られるが
そこは明るくそして緩やかな傾斜に作られた畑だった。
運んできた肥やしをまいて父や母が野良仕事をはじめた。
わたしは傍でそれを何とはなしに見ていると
茂みの奥からケーン!ケーン!と動物の鳴き声。
その当時わたしはキツネがコーンコーンと鳴くと聞かされていたけど
ホントはケーンケーンと鳴くんだと勝手な解釈で
しばらくはそう思い込んでいたが
実はその泣き声はキツネではなくてキジだと気づいたのは
だいぶ経ってからのことだった・・・・。



もはや今となってはそこの畑はもうない。
だいぶ前からない。
それと浜にもあった畑ももうない。
今は母屋の横に家で食べる分だけ作れる程度の
わずかばかりの畑がひとつ。

それも

終わってしまうのだろう。

弟が春に耕さなければ・・・。


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  これは畑とは関係ないけど箒草。実家周辺にぽんぽん生えてる。




しかし漁業と畑と民宿と・・・
どうりで忙しい家だったわけだ。
私には到底真似などできるはずもない。
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Commented by occo at 2013-01-31 16:16 x
八幡辺りでは肥樽=ずきため といいいました。閉伊川河川敷の畑のいたるところにあり、草が生え、表面は乾き土と同化している。遊んでいるとはまるんです。子どものころ「ずぎためさ、おづでさ」というような話がよくありました。ずぎは自然の力で熟成を重ね成分も匂いもより濃厚になっており、はまったら、川で洗っても洗って洗っても落ちません。彼は次の日からずぎお君と呼ばれていました。
Commented at 2013-02-01 09:43
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by minmei316 at 2013-02-01 12:12
OCCOさん

「ずきため」はいわゆる「肥だめ」のことですね。
畑の傍にあって、確かに「落ちた」とか、そういう話題は
こちらでもありましたよ!
「ずぎお君」当時のある種いじめですね。(今問題の)
今も昔もいじめはあったんですよね。
でもそのずぎお君と呼ばれた彼はだからといって
自ら命を落とすまでには至らなかった。
昔と今では明らかに何かが変わってしまった。
やる側もやられる側も・・・・。
Commented by minmei316 at 2013-02-01 12:43
鍵コメさん

はい。そうなのです。
じつは母の病気が進行しはじめた頃から危うかったのです。
しかし震災後今度は父が受け継ぐ方向に変わってきてたので
安心していたのですが、その父が亡くなってしまったのでね・・・。
もしかしたら、いよいよかもしれません。
30代の若い青年が、興味を持ってやってくれるだろうか。
それでも去年は父が植えたジャガイモの収穫を
妹と二人でやったそうです。
種芋とか残してあればやらざるを得ませんよね。
それをちょっとだけ期待したりして。
荒れた畑の再生って大変だったでしょうね。
木と化した雑草の駆除なんて骨が折れる作業です。
荒地を畑に変えるって、じつは凄いことだと思います。
「鍵コメさん、凄いっすよ!!!」
(ああ、良かった。前々からこっそり覗いてたとき
 これを伝えたかったのです。ああ良かった。)

なぜか鶏糞て魅力を感じます。
すごく美味しい野菜ができそうな・・・。
なぜか鶏糞が輝きに満ちて見えるのはわたしだけ?

お互い田舎暮らし。
やはり共通することいろいろあるのでしょうね。^^
Commented by cocomerita at 2013-02-02 04:22
Ciao minmeiさん
あの震災で、尊い命を始め、一体どれだけの日本の貴重な宝が失われたかと思うと
とてつもなくやるせない気持ちになります。
コツコツ、黙々と築き上げてきたもの、、
ご両親、弟さんご夫婦の当時が思い浮かんで、忙しいけど満ち足りた毎日、悲しくなります
農業も漁業も、これこそ日本の大事な産業なのよね、
そういうの失った国家は、さらに脆いと思います

福島の署名ブログ上で拡散してます
よろしくお願いします
Commented by minmei316 at 2013-02-02 18:43
junkoさん

先日新聞に第一原発の「汚染水を海に放出検討」だって・・・・
あの人たちの頭ん中はもう終わってますね・・・
昔から日本は資源のない国ってよく耳にするけれど
資源?いっぱいありますよね。
人間は手に負えないおっかない資源を作り出し
元からある自然という資源を滅ぼしている。
どこかの石油の出る国に日本人は「石油があっていいですね」といったそうですが、帰ってきた言葉は「あなたの国には水があるじゃないですか」と言われたそうです。
水あるじゃないですかね~
その水でみんなが田畑を耕せばいいのに。
ところが今じゃ田んぼだけでは食い扶持にならないという現状
そうさせたのは国。
ハイテクはもういいじゃないですかね。
そう思います。

署名しますね。
非力なわたしにできる精一杯の政府への抵抗!
by minmei316 | 2013-01-31 14:11 | 実家(宮古) | Comments(6)