こんにちは!          今日もいい塩梅ですか?


by minmei

海翔

海翔(かいと)が溺れた



地元の海岸は海に入ると急激に深くなる
始めは波打ち際で腹ばいになったりして
打ち寄せる波を待ち構えバシャバシャと遊んでいたが
調子に乗ってちょっと下半身が浸かるぐらいのところまで行ったら
引き波に引き寄せられ、上半身、顔、そして腕と順番に姿が消えていった
あの瞬間はなぜか鮮明に覚えている
まるでスローモーションのように
海翔は慌てるでもなく吸い寄せられるように静かに消えていったのだ・・・・





甥っ子の海翔はまだ小学生にもなっていない頃だ
わたしとみほこさんは遊んでいる子供らから数メートル離れたところに座り込んで
おしゃべりをしていたときだった
「あ・・・」
会話が途切れ二人が見ている先で
海翔が海の中に消えていった


ハッと我に返り、咄嗟に走り出す
濡れる事も忘れて、海翔の消えたところに入っていった
そして慌ててグイッと水の中から引き上げたときの
海翔の様子がまた意外だった。

海水も飲んでおらず、咽るでもなく、泣きわめくでもなく
消えていったときと同じように静かなもんだった
今何事が起きたかもわからずケロッとした様子で
ただ大きな目だけをパチパチとしばたたかせて、ちょっと笑った



そして数年後の津波



せっかくあの時助けたのに・・・
なんで・・・
とわたしは泣いた




しかし今になって思えば
あの時の不思議な出来事も不思議ではなかったのかな


海翔はそうなる運命だったのかな

名前の如く


海に、海の向こうに、はばたいていった
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Commented by saheizi-inokori at 2012-02-02 22:07
文章がうますぎる。小説かと思ったよ。泣かせるな!
Commented by occo at 2012-02-03 10:08 x
途中まで読んでいて
息子が2歳のとき風呂に沈んだことを思い出した。
続きを読んでペンが止まってしまった。

すぐに泣がさる・・・・・・歳のせい・・・だけではない。
Commented by minmei316 at 2012-02-03 15:09
saheiziさん

わわわ・・・saheiziさんに褒められちゃった 
うれいいような・・・はずかしいような・・・

思い出すと泣けてしょうがないです・・・・
Commented by minmei316 at 2012-02-03 15:13
OCCOさん

まだまだ泣がさんがね
歳だけのせいではありません
あまりにも大きすぎる傷ができました
塞ぐには少しばかり時間がかかりますね
Commented by cocomerita at 2012-02-04 05:00
Ciao minmeiさん
いや―私も小説かとおもっちゃった
いい文章だよ うまい、うまい

>海水も飲んでおらず、咽るでもなく、泣きわめくでもなく
....
今何事が起きたかもわからずケロッとした様子で
ただ大きな目だけをパチパチとしばたたかせて、ちょっと笑った

海翔君は今回もそうだったのではないかと...
海の申し子なんだね
私はそういう気がしてなりません
Commented by minmei316 at 2012-02-04 12:49
junkoさん

ぎゃー  junkoさんにも褒められちゃった 
ありがとう
どうしよ・・・小説家にでもなろうっかなぁ・・・ なんてね・・・ムリムリ

うん
海の申し子だったのかもしんないね
わたしもそんな気がするんだよね・・・

Commented by kaneniwa at 2012-02-05 00:33
私もほめます。
これは小説でもあり、
優れた詩であり、
切ないドキュメンタリーです。

BYマーヒー
Commented by minmei316 at 2012-02-05 14:42
マーヒーさん

うぉっほっほっほ^^
てれますねぇ・・・

そうですね、これはノンフィクションです・・・
by minmei316 | 2012-02-02 18:36 | 実家(宮古) | Comments(8)